今回は、木のおもちゃを中心に、数多くの輸入玩具を集めた専門店「MOTHER MOON(マザームーン)」というお店へ足を運んできました!
場所はユーカリが丘駅の近く、佐倉市上座総合公園のすぐ目の前です。
八千代市から向かう場合は、成田街道(296号)をユーカリが丘駅方面へまっすぐ進み、駅ロータリーを超えて右奥方面になります。
↑ 296号をユーカリが丘方面へ。右写真の交差点(右/ユーカリが丘駅、左/サティ)も直進します。
↑ 吉野家を過ぎたあたりに右手シモアール(酒屋)、左手ジェーソン(ディスカウントストア)の交差点を右折します。
↑ 道なりに進むと、右前に志津小学校が見えてきます。学校の左側の道をさらに進みます。
↑ 曲がりくねった坂道が続き、「ここ合ってる??」と不安になりましたが、とにかく道なりに。下りきると急に視界が開けて、マザームーンさんが見えてきます。
店長の山田さんは以前八千代市に住んでいらっしゃったそうですが、10年ほど前に店舗兼住宅として住まいをこちらへ移し、木のおもちゃのお店を始められました。
入口に面した2~3畳ほどの玄関ホール、そして左側に続くリビングサイズの1部屋がマザームーンのお店に充てられたスペース。お店としては決して広いわけではないけれど、どうしてどうして!この空間には2,000種類以上もの商品が取り揃えられているんですって!
↑ マザームーンさんの店舗出入り口。店内には2段ほどですが階段もあり、左側の部屋は土足不可なのでベビーカーは外へ置いた方が良さそうです。
玄関ホールへ入ると、まずは木を使ったおままごとグッズやBRIO(ブリオ)社、NEAF(ネフ)社、LORENZ(ローレンツ)社などなどヨーロッパの一流木製玩具が目に飛び込んできます。けれども、じっくり見渡すと木のおもちゃばかりではなく、実にさまざまな商品が取り扱われていることに気付きます。
ここのスペースだけで小一時間立ち止まれてしまいそうですが、靴を脱いで左の部屋へ続く小さなステップを上がりましたら、輪をかけて圧倒されるような種類の豊富さ!
遊び方すら想像つかないような見たことの無いオブジェだったり、一方で昔から馴染みのあるスタンダードな絵本が置かれていたり・・・なんて言うと、統一感なく寄せ集めているかのように聞こえるかもしれませんが、どれもマザームーンさんが長年かけてセレクトしてきたベスト・オブ・おもちゃ。単に人気があるから入荷しているのではなく、きちんと「おもちゃとして最適か?」という独自の指標をクリアし、自信を持ってオススメできる品だけが並んでいるというのです。
↑ 玄関ホールの一角には、公園が近いこともあってシャボン玉など外遊び用グッズも。このシャボン玉、厚みのあってなかなか割れないので大きな玉がたくさん出来ました!
マザームーンさんの魅力のひとつは、奥に用意された「遊べるスペース」です。
以前は商品に混ざって見本が置かれていたそうですが、こうして一カ所に集めることで子供たちも「これは触って良いもの、これはダメなもの」と判断しやすくなり、ママたちも落ち着いておもちゃ選びが出来るようになったとか。
この日連れてきたなび息子たちも遊ばせていただきましたが、我が家にはプレゼントで頂いたBRIOのクルマ、あとスタンダードな積み木くらいしか木でできたおもちゃがありませんから、初めて触れるようなおもちゃに5歳も2歳も食いつき満点!
特に“モノを上から転がす”系のおもちゃは、ステップ勝田台にも置いてあって二人とも大好き。ここでもドイツの老舗メーカーBECK社の「シロフォン付玉の塔」の前から、なび次男がなかなか離れません!
すると山田さん。
『そうそう、八千代市の子育て支援施設や保育園は、木のおもちゃが充実していますよね!公立保育園に通っていたときも、沢山の木のおもちゃで遊ばせていただきました。あとで先生が自費で買い揃えていた(当時のお話です)と知りビックリしましたが、それだけ子供たちの反応が良いことをご存知だったのでしょうね。』
↑ 上から玉を転がすと、スロープを降りていく玉が最後に可愛らしい音色を奏でます。
山田さん自身も、3人の男の子を育てているママ!
木のおもちゃに出会ったのも、ご長男へのおもちゃ選びに迷ったことがきっかけだったそうです。
『長男がまだ2歳位だった頃、ウルトラマンが大好きで誕生日などで贈って頂くプレゼントは、いつもウルトラマン関連のおもちゃだったんです。ふと、部屋一杯にあるウルトラマン商品を前にして、漠然と「あれ?こんなおもちゃの与え方って正しいのかな?」と違和感を覚えまして。』
そんな折、お友達の家へ遊びに行ったときに「PLUS10(プラステン)」というドイツNIC社のおもちゃに出会い、ご長男はウルトラマンが描かれていない、そのシンプルな遊びに夢中になったそうです。
『5円玉の形の円盤を棒に刺すおもちゃなんですが、これがまた、よく思いつくなぁ!と感心するような遊び方を、子どもが自分で発見していくのです。1色ずつ、1個ずつ、刺したり外したり、ランダムだったりシマシマ模様にしてみたり。
これだ!と思いましたね。
でも当時はインターネットも今のように普及していませんでしたし、どこに買いに行けばよいのか分からず、そのお友達から聞いて同じものを取り寄せました。
プラステンは家でもよく遊んでくれて、その様子を見ているだけで子供の成長を感じることが出来ました。あるときには積み木のまわりに青色を並べて池を表現したり、おままごとの具材に見立てたり!それに、色分けが出来るということは、ああこの子は色盲では無いんだな、ということを自然と確認できたりもします。年齢を重ねるごとに遊び方は変わっても、同じおもちゃをずっと使い続けられるということに魅力を感じたんですね。』
それ以来、クリスマスプレゼントなど行事ごとに、ひとつずつ種類を増やしていったそうです。
“遊び道具”であると同時に、そのこだわり抜かれた造りは“オブジェ”にもなり、そして子供と一緒になって楽しむことを教えてくれる“子育ての手助け”にもなる。
知れば知るほど、木のおもちゃは大人のほうがはまってしまうくらい奥の深い品でしたが、一方で日本には輸入販売するお店は数えるほどしかありません。
もともと『駄菓子屋のおばちゃんみたいな、家で子供の成長を見守りつつ、おばあちゃんになっても続けられる働き方に憧れていた』という山田さんは、ご長男が小学生になったのを期にジュエリーデザインのお仕事を辞めて、この場所で木のおもちゃをメインとしたヨーロッパ製玩具の販売を始めることに。
最初の頃は輸入玩具ひとつ買い付けるにも“趣味の店なのでは?”と取り合ってもらえなかったりと大変苦労されたそうですが、とにかく「自分が欲しい!」「見た目にも色やデザインがキレイ!」など、良いと思った商品を着々と取り揃えていきました。
ジュエリーデザインで磨かれた感性は、おもちゃ選びの手腕をも光らせ、広告と言えば紙面媒体が主だった当時に、口コミによって群馬や横浜などからわざわざ足を運んでくる方も多く、皆さんが口を揃えて「ここまで種類を揃えているお店は珍しい!」と感嘆されたほどだったとか!
↑ 今では毎年ドイツで開催されるトイメッセというおもちゃ博へ行き、“良いおもちゃの目利き力”をさらに養っていらっしゃいます。昨年2月もエルツゲビルゲ地方にあるザイフェン村の伝統木製玩具を見たり、現地で気に入ったものをお店で販売されたそうです。
さて、マザームーンが扱う木のおもちゃは何種類もありますが、親のほうが魅了されてしまって買い揃える方が後を絶たないということで有名なのが、スイスのNAEF(ネフ)社の積み木。
そのデザイン性の高さや色合い、追求され抜かれた構造美、そして一切ロボット加工をせず全て手作業で仕上げられる職人技が、世界的に高く評価されたおもちゃです。
硬く壊れにくい広葉樹の木材を使用し、自然着色料や人体に害のない塗料を用いて、赤ちゃんにも安心!デザインもネフ社が認めたデザイナーが、試行錯誤して手掛けたオリジナリティ溢れるものばかりです。こうして手間暇かけて出来上がる商品の価値は、そのまま価格へと適正に反映されているため、一見すると大変高価なように思えますが、一方で飽きることなく大人も楽しめ、何世代にも渡って使い続けられる“価値”は、手軽に買えるおもちゃとは一線を画するもの。
シンプルだからこそ創造力を最大限にかき立ててくれる、マザームーンさんイチオシの商品です。
⇒ネフ社の商品取り扱いページ(マザームーンHP)
↑ ネフ社の積み木は全て、2.5cm若しくは倍の5cmという数字をもとに作られています。統一した数学的法則に従って分割してあるため、種類が違っても組み合わせて遊ぶことが出来るんです。例えば、「ネフスピール」というリボン型の変形立方体に、「リグノ」という円柱が収まった立方体の積み木を重ねたり、リグノの中に「キュービックス」の一部にある小さい立方体を入れることが出来たり・・・と、可能性が広がる点も面白さのひとつ。
木のおもちゃの最大の魅力は、「子供と楽しく関われること」だとおっしゃいます。
『よく“手先が器用になる”とか“賢くなる”とか言われますけれど、そうした思考力が付いたりするというのはあくまでオマケの魅力。子供が発見したことを「見て見て!」と自慢することに、「すごいね!」とその“作品”に対して共感し、一緒に遊べるという経験は、子育てをする親にとってかけがえのない機会です。もちろん家事など他にやることがたくさんありますし、一日中付き合ってはいられませんし、時には面倒と感じることもあるかもしれません。それでも、私にとって子供たちと味わった楽しさは、一生の宝物です。』
↑ 写真のオレンジ色の素敵なオブジェのように見えるのも、ネフ社「キュービックス」という積木。『高校生になる長男が、今でも昔とった杵柄さながら弟たちにスゴ技を見せつけていることがあるんです。そんな光景を目にするたびに、本物のおもちゃは年齢関係なく誰もが楽しめる奥深さがあるのだと実感します。』と山田さん。
そして、おもちゃを通しての関わり合いを続けてきたことが、思春期を迎えた子供たちとのコミュニケーションをも維持してくれたそうです。
『おもちゃと一口に言っても、年齢相応のさまざまなものがあります。例えばパズルやボードゲームは、小学生や中学生になっても一緒に遊べるツールです。子供たちが小さい頃から欠かさなかったのが、毎晩寝る前に楽しむボードゲームなのですが、これが自然と会話のきっかけを作ってくれました。特にうちは男兄弟ですから、高校生になった長男と今でも気軽に話せるのは、母親として有り難いですし、それもこうした積み重ねがあったからこそだと思っています。会話って、急に作ろうとしてもギクシャクしますしね。』
お店には100種類近くもあるというドイツ製のボードゲーム。
これもまた、“相手がいないとつまらない”という人との関わり合いを自然と促してくれるおもちゃです。
家庭環境によって、例えば兄弟がいるケース、一人っ子のケースで、より最適なゲームが違ったりするそうですし、また負けず嫌いでまだ精神的に“負け”を受け入れられないお子さんには、あまり勝ち負けがはっきりしすぎないタイプを選んであげるのか良いとか。
ゲームにかかる時間もさまざまなので、忙しくて時間をかけてあげられない時は短時間で終わる種類をチョイスしたりもするとか。
パッと見ただけではどんなゲームか分かりにくいですし、ぜひ気軽にご相談ください!とのことでした。
⇒ボードゲームを扱う商品ページ(マザームーンHP)
↑ ドイツ製のボードゲームですが、きちんと日本語の説明が付いているので安心。2,3歳から楽しめるものや、中学・高校生でも夢中になって遊べる内容のものなど実にさまざま!
ご自宅用に購入される方はもちろん、出産やお誕生日祝いに、ありふれていない素敵なおもちゃを選びたいということで、贈り物を選びにいらっしゃる方も多いんです。
赤ちゃんにオススメなのはモビール。天井から吊り下げて、手などで動かさず自然な風の動きで変化をつけてあげると、赤ちゃんでも目で追いやすいそうです。
マザームーンでは、人気高くていつも品薄なブライトシュベルツ社のモビール「太陽と月」や、ヘラー社の可愛い動物モビールなど、他では見ないようなデザイン豊富な品揃え!
ほかにもおままごと一式が包まれたものや、オススメ絵本にその内容に合わせた木のおもちゃを添えたプレゼント品など、お店チョイスのセットも用意されていました。
また、ドイツのザイフェン村で今も作られ続ける工芸品の数々は、ひとつ手に入れたら揃えたくなってしまう程に魅力のある、ファンが多い商品です。くるみ割り人形や木彫りの置物、オルゴールや彩り鮮やかなおもちゃなど、店舗スペースの多くを占めています。
↑ 同じ工房のものでも、ひとつひとつ表情も色合いも、人形の雰囲気も変わる、手作りならではの良さが心を惹きつけます。
↑ これからの時期にピッタリなクリスマス・オーナメントや、灯りが隙間から美しくこぼれるキャンドルホルダーや、木製飾りなど。こうした季節商品や節句飾りなども扱っています。
山田さんのおもちゃ選びでは、他にも(1)武器にならないもの、(2)電池で動かないもの、といった点に留意しているとのこと。争わずにコミュニケーションで解決して欲しいという思いや、壊れにくいものを選んで長く大切に使ってほしいという願いが込められています。
『おもちゃは、子供に価値観を伝えるツールのひとつだと思っています。ですから、伝えたくないことはおもちゃにも反映させています。日本は剣などを模したおもちゃが多いですが、海外では例えば銃を模したものを持つと本物と誤解を与えかねませんし、実は世界的に見ると武器になるようなおもちゃがこんなに溢れている国は珍しいくらいなんです。』
良いと思ったおもちゃなら、ドイツ製に限らず日本の昔ながらのコマやビー玉、けん玉などといったおもちゃや、日本発のブロック「LaQ(ラキュー)」なども取り扱います。
おもちゃ屋さんでは各商品の説明はしてくれますが、遊び全般を含めた相談ってどこに相談したらいいのかしら?そんな悩みに、マザームーンさんなら的確に答えてくれそう!
↑ ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト地方で普及されたと言われる「鳩時計」。これは電池で動くのではなく、下についているおもりが原動力となっていて、定期的に引っ張らないと止まってしまいます。ちゃんと定時になると鳩が窓から顔を覗かせますよ!
↑ これは!と思った靴やハンドタオルも。左はスウェーデン王室御用達Ekelund(エーケルンド)の織物クロスで、肌触りがものすごく優しく一度使うとやめられないとか。右はBIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)の靴(サイズ14cm~大人まで有り)。クロックスよりずっと歴史が長く、とにかく脱げにくくて全然疲れないそうです。
⇒ビルケンシュトックを扱う商品ページ(マザームーンHP)
店内にある商品は、廃盤にならない限り“定番品”としてお店に並びつづけます。
『良いものは、長い年月を経ても同じように良さを伝え続けてくれます。10年前に置き始めたものでも、同じように今もお客様にすすめています。風化しないおもちゃで、ぜひたくさんの子供たちに遊んでもらえればと思っています。』
ぜひお子さんを連れて、まずは一度「本物のおもちゃ」に触れてみてはいかがですか?
●木のおもちゃの店 Mother Moon(マザームーン) 043-464-2370
千葉県佐倉市上座1169-7(地図)上座総合公園の駐車場前
【営業時間】平日/11:00~17:00、土曜/11:00~18:00
【定休日】水曜日・日曜日
【駐車場】有り
【ホームページ】https://www.mothermoon-toys.com/
※クレジットカード払い可
※ホームページで一部商品をインターネット販売中